魔王ザンデ

f:id:Refia369beat:20211004184959j:plain
私は永遠の命を手に入れるのだ!
f:id:Refia369beat:20210125183817j:plain
手錠をかけられたザンデ
ファイナルファンタジー3」の重要悪役で、同シリーズでは稀代の魔王キャラ。オペラオムニアでの声優は立木文彦

f:id:Refia369beat:20210807160219j:plain
ディシディアファイナルファンタジー オペラオムニア 「闇に魅入られし魔王」より)

概要

「私は永遠の命を手に入れるのだ!」

古代の民が作った装置とクリスタルの力を悪用し、世界に闇の氾濫を招いた張本人。漆黒の身体をした筋肉質な大男。一人称は「私」。
「ファファファ」と言う奇妙な笑い声*1が特徴的。

元々はダルグ大陸にいた偉大なる大魔道士、ノアと共に魔法の修業をしていた弟子の一人で、ドーガとウネは兄弟弟子に当たる。
師匠が死の直前に、ドーガには「大いなる魔力」、ウネには「夢の世界」を受け継いだ一方、彼は「限られた命」を託された事に不服を感じ、兄弟弟子と決別した。
命の束縛から逃れようと自ら魔王となり、闇の力で世界を滅ぼそうとする。

漆黒の肉体に宿る強大な魔力。暗黒の力を我が物にしたザンデは凶悪なる眼光で光の戦士を威圧するが、その反面に悲しい運命があった…。

考察

ウネ
「ノアは人間の命こそが最高の贈り物だったけど、ザンデには分からなかったんだね…」

ザンデが魔王として世界を滅ぼそうと画策するようになったのは、師匠ノアから人間の命を託された事で長く生きられなくなったからだった。
ウネが言うには「人間の命こそが最高の贈り物だったけど、ザンデには分からなかった」と残念がっていたが、実は諸悪の根源こそがこの世を去ったノアだった*2

表向きでは人間の命こそが尊い物だと主張していたノアだが、本心ではザンデの事を疎ましく思い、いつしか彼に嫉妬して限られた命をザンデに与えたと推測できる。これによってザンデは師匠に疎まれたと傷心。
ドーガとウネの説得に応じず喧嘩別れになり、命の束縛から逃れようと魔王となり、世界を滅ぼそうと画策した。これが「FF3」の始まりだったのである。

断章でザンデの過去をオニオンナイトから聞かされたパンネロは「自分に寿命があると知って極端な行動に出た」「自分が何をすべきか迷っている間に時間は過ぎていく。それに焦っていた」と言っていた事から、ザンデは長い命を求めていたのに、限られた命を与えられた事で困っていたとも言える。

「ドーガとウネは最期までザンデの事を頼む」と口にするオニオンナイトに対し、マッシュはドーガとウネを「言葉が届かない奴の事を、最期まで気にかける。それは、誰でも出来ることではない。」と尊敬していた。

嫉妬によって限られた命を得たザンデは、師匠に認められなかった悔しさ、見捨てられた悲しみ、それを理解してくれない兄弟弟子と喧嘩。何もかも嫌気をさしたザンデは全てに復讐するため魔王となり、闇の力で世界を滅ぼすのと同時に永遠に生きようと画策する。

また、ノアの弟子の正体は人間ではないと言う説*3もあり、ザンデも元々は人間ではなかったのではないかと推測できる。

余談

同作品の主人公達も光の戦士にあってはならない弱さと甘さを持ち合わせており、エウレカの鍵を作るエネルギーを解放するため2人と戦う事になった際は「そんな事はできない」と躊躇っていた。このような弱さを持ち合わせている光の戦士が主人公として登場するのは歴代でも類を見ないケースであり、初代FFとバッツ一行は辛い事があっても弱音を吐いた描写はほとんどなかったのに対して、ルーネス一行は辛い事があると弱音を吐きやすく*4、ナイーブになる傾向も見られた*5
この事からリディア*6やパロムなどから疎まれても無理はない。

仲間同士で戦うのが辛いからと避けるのは、世界がどうなってもいいと考えているのと同じで、下手をすれば世界が無に飲み込まれてしまい、最悪サラ姫やトパパ達と死別する事もある。
また、彼らも悪堕ちの危機*7があり、下手をすればザンデと同じく暗黒面に堕ちてしまい、ヴィランの戦士と化す危険性もある。
refia369beat.hatenablog.com

*1:他に暗闇の雲エクスデスがいるが、ザンデの笑い声はバリエーションが多め。

*2:この事から仮にノアが生きていた場合、ラスボスは暗闇の雲ではなくノアである可能性も否定はできない。

*3:ドーガとウネが己の命と引き換えに鍵を作るエネルギーを解放するため、魔物と化したため。

*4:何事にもくじけない強い心を秘めていたルーネスですらも、辛い事があると弱音を吐く傾向があり、彼自身も人としての弱さを持ち合わせている。

*5:特にレフィアは辛い事があると弱音を吐きやすい欠点を持ち合わせている数少ないヒロインであり、これはクリスタルに導かれて光の戦士となった女性キャラクターでも唯一。

*6:リディア本人も弱虫な人に対して辛く当たるが、作中で「いい加減にして!これ以上死ぬのは嫌よ!」と泣き叫ぶ描写から、本人も弱さはある。

*7:仲間同士で戦うのが辛いからと避けようとしたことから、ルーネス一行も少なからず悪心があったため。